今回のご相談は、パートナーの女性が3週間も大腸の症状が改善しなくて心配!というものでした。
はじめは今すぐに大腸内視鏡検査を受けたいから、どこか病院を紹介してほしいということでした。
俳優の今井雅之さんが大腸がんで突然亡くなられてから、検査がものすごく混んでいるようです。
多くの方が自分の体に意識を強く持たれるのは素晴らしいことですが、
症状のある緊急性の高い患者さんが検査を受けられない状況というのは、困りますよね。
幸いすぐに検査できる病院が見つかり、女性に症状が出現してから1ヶ月経ってやっと診断がつきました。
診断は、潰瘍性大腸炎。
どういう病気かというと、原因ははっきりはわかっていませんが、
自分の体を守るための免疫機能が何かの異常を生じて、
自分の体(この場合は大腸)を攻撃してしまうというもの。(あくまでも有力説ですが)
その結果、白血球が異常に活性化して、異物を除去するための物質を放出することで、
大腸が炎症を起こし、腹痛や下痢、血便となって現れます。
たとえば癌であれば、その原因である癌を取り除く手術をすれば、ある程度治療の目処はたちますが、
原因がはっきりしていないということは、その原因を除去することはできないため、この病気とは長い付き合いとなります。
(緊急的に大腸の手術を必要とすることもあります)
治療としては内服で炎症を抑えたり、免疫抑制をしたりといくつかありますが、
大切なのはストレスを溜めないこと、腸に刺激を与えるものは摂取しないことなど、生活習慣から改善していくことです。
最初の「病院を紹介してほしい」という相談から、
現在は薬の服用の意味や、詳しい食事療法を教えてほしいというものに変わり、日々アドバイスをしています。
食事に関しては私は専門家ではないため、信頼する管理栄養士にもお願いしています。
病気は一時的なものではないし、本人だけのものでもないと、今回強く感じました。
生活習慣の改善、特に食事に関しては、家族や周りの方の理解と協力も不可欠ですよね。
また時間がなくて医師に詳しく聞けなかったり、実際に生活してくと疑問に思うこともたくさん出てくる中で、
身近に相談できる人もあまりいないという状況は、患者さん本人やご家族にとって、すごく不安なものだと再確認しました。
同じ病気でも悩みや生活環境は人それぞれ。
今後も一人一人の想いにそったカウンセリングを大切にしていきます。