8月13日は、私にとってはやっぱり特別な日なので、
当時のことと今のことを書いておこうと思います。
足のがんになり、抗がん剤治療のあと
手術を受けたのが2003年8月13日でした。
手術=
障害を持つということ
足の機能が一部失われること
外見の変化
どれも命あるかないかという状況では
受け入れざるを得ないものでした。
それでもずっと頭にあったのは
富士山にはほんとにもう登れないのか
ということでした。
そんなことと思うかもしれませんが、
私にとってはずっと大事にしている場所でした。
なんの疑いもなく毎年登れるものだと思っていました。
急に断たれることになったその場所に
手術を受ける前に一人で行きました。
もう登れない
そもそも手術したからといって命が助かる保証もない
(5年生存率70%と聞いていました)
会うのも最後かもしれない
でもまたここに来たい
そんな複雑な気持ちで富士山を見ていました。
でも今思えば、長い治療に耐えられたのは
支えてくれた人たちと
大好きな場所にまた行こうという気力でした。
好きなものがあるということ
諦めたくないものがあるということは
自分でも気づかないうちに大きな力になっています。
だから、今病気と闘っているいる方には、
やりたいと思うことは諦めないでほしいって伝えています。
できないかもと思っても、
できる方法を見つけてできたときの嬉しさは
その後の人生を支えてくれるものになります。
大袈裟ではなく、ほんとに。
手術後、医師にはだめと言われていましたが、
私は富士山に登りました。
足を大事に使っていくために
ほんとにほんとにこれで最後にしようと
仲間の手を借りて、泣きながら登頂しました。
行ってよかったと思っています。
体的にはよくないことでしたが、
私には気持ちの整理が必要でした。
富士山の土の感触を一歩ずつ確かめながら
ありがとうと言いながら登ったことで、
もう登らないと自分で決めることができました。
たぶん、人にだめって決められるのが、私は嫌だったのです(笑)
今は富士山に登ることはしませんが、
代わりに富士山の写真を撮るようになりました。
太陽、風、雪、雲、星、木、花
富士山と一緒に変化するものたちに魅せられ
時間があるたびに会いに行っています。
好きなものを捨てることなんてしなくてよかったのです。
好きなものは好きなんだから、
捨てることなんてできないっていうのが正しいかな。
あなたにとっての大事なものはなんですか?
きっとあるのが当たり前すぎるものかもしれませんが、
どんな状況になっても
あなたに力をくれるものです。
ぜひ大事にしてくださいね。