【患者という研修】

いくつになっても

学ぶことはできるし

どんな状況に置かれても

そこから学びを得ることはできると思っています

21歳でがんと診断されたとき

受け入れがたい事実に

最初は気持ちが乱れていました

でもちゃんと治療をして生きていこうって思ったとき

その経験は大きな学びに変わりました

看護師の免許を取得したばかりで

同級生が看護師として働いている中

私は病院のベッドで抗がん剤の点滴につながれている

悔しいけど

みんなが経験できないことを

経験しているんだと

考えを変換することができました

そうすると病院のベッドにいながらも

看護師の言葉や行動を見て

こんな風になりたい、とか

こういう風な言葉は人を傷つけるんだな、と

看護師として働けるようになったときの自分を想像しながら

過ごすことができたんです

それは私にとってはただの治療ではなく

看護師になるための研修みたいなものでした

だから今看護師として働けるようになって

患者さんに関わることは

ただの業務ではなく

がんの経験者として寄り添う時間なんだと

常に心にとどめているのです

一人一人価値観は違うし

仕事や家庭環境ももちろん違う中で

その人の大切にしているものを

私も大切にしたいと思っています