【妊娠する力】

若くしてがんになると

その後の未来に

大きな影響が出てきます

その一つが妊孕性(にんようせい)

妊娠できる力のこと

抗がん剤や放射線の副作用によっては

この妊孕性が失われる可能性があるんです

だから治療を始める前に

妊孕性温存を希望するかどうか

患者さんやご家族に聞くことにしています

でもAYA世代は10代や20代と若い子も多くて

正直、今子供をほしいかどうかなんて

答えられないのが現実だと思います

それでも治療して年数が経って

いざパートナーができて子供をほしいと願ったときに

実は子供ができない体になっていた、なんて哀しいから

温存を希望する方には

卵子や精子を凍結保存しておく方法を

とってもらいます

治療を優先して妊孕性を諦めるか

妊孕性を希望して凍結保存できるまで治療を待つか

その価値観は一人一人違うので

すべての方法が正解だと言えます

人の価値観を無視して治療することはできませんからね

私が治療したときには

妊孕性の話なんてされませんでした

ここ数年で出てきたワードです

時代背景と医療の進歩によって

実現可能になった妊孕性温存

選択肢が広がることはいいことだけど

多すぎても迷ってしまいますね

どうしたらいいのかわからないときは

いろんな人の意見を聞いてみるといいと思います

いろんな考え方があることがわかると

自分の価値観がどこにあって

それは間違っていないということがわかると思うから